サブタイトルが「自由のための見世物小屋」となっているワタリウム美術館にて開催中のマイク・ケリー展。刺激的でした。

マイク・ケリー(1954-2012)は、アメリカの大衆文化を通じて、社会の奥深くに潜むさまざまな問題点をあぶり出しそれらをアートのフィールドに持ち込んだ、現代アートの最も重要なアーティストの一人である。 1世代前にポップ・アートの旗手として華やかに登場したアンディ・ウォーホルが表のスターだとすると、マイク・ケリーは裏の帝王だろう。 階級やジェンダーなどのマイノリティに対する差別、トラウマや暴力、性などを題材に痛烈な皮肉やユーモアを交え作品として発表しつづけた。
ワタリウム美術館では今回の展覧会を皮切りに、マイク・ケリーのさまざまな作品を複数回の展覧会としてまとめ紹介していく計画である。 まず「Day is Done」(2004-2005)という高校時代の「課外活動」の様子を写したモノクロ写真の再生の中で映像やインスタレーション、写真作品へと広がっていった大作を展示する。 ヴァンパイア、田舎者、ハロウィンの祭り、不機嫌な悪魔などを登場させ、ダンスや音楽、シナリオテキストなどすべてをマイク・ケリー自身がディレクトしている。
その他、マイク・ケリーのルーツであるアイルランドの神話から四つ葉のクローバーとそれが表す幸運というモチーフをアイロニカルに表現した「Pansy Metal/Clobered Hoof(1989/2009)」ほか異なる時代の3シリーズを展示する。 世界から届く不自然なニュースを見るとき、真実が社会の奥深くに隠されて、まるですべてが見えない糸で操られているような気配を感じることはないだろうか。 マイク・ケリーは文化でさえも何かに支配され、その皮を引きはがすことこそが自身の役目だと語っていた。 そうだとすると、この展覧会は「自由のための見世物小屋」だろうか。 作品の中の怪しい登場人物に隠されたマイク・ケリーの願いを覗いてほしい。

ワタリウム美術館HPより引用

http://www.watarium.co.jp/exhibition/1801mike/index.html

展示室はとても奇妙な空気で満たされており、作品の骨組みというか、基礎的なルールやアイディアのようなものを掴むのに時間がかかりました。

もし自分が過去、とりわけ10代の頃の学校生活の記憶を元に映像作品を作るとなると、どうやって俳優さんたちに具体的な動作なんかを説明すればいいのかわからないし、そもそもあまり興味のない自分の過去と向き合うこと自体が私にはなかなかキツイ作業です。

そう考えると、過去の断片を映像や写真として再構成したデイ・イズ・ダーンのシリーズを生涯作り続けてきたというケリーの技量に圧倒されてしまいます。

美術館を後にして、つくづく「ああ自分にはあんな作品作れないな」という実感が残りました。

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