水彩色鉛筆で描く湖
2019年6月21日水彩色鉛筆で描くネコ
2019年10月14日遠近法とは
遠近法とは、私たちが目で見て認知できる遠近感や空間性を、平面的な画面(紙やキャンバス)に描き表すための技術です。理論的に体系化されたのは15世紀のルネサンス期であると言われています。
遠近法にはいくつか種類がありますが、代表的なものに「透視図法」というものがあります。別名で「線遠近法」や「パース(パースペクティブの略)」とも言われています。これは直線的で幾何形体的な形の遠近感を表すのが得意な方法で、例えば道や建築物、室内の描写などによく使われます。
下の図(図a)は道の写真に透視図法の概念を表す線を描き足したものです。道の輪郭線1,2が、水平線HLの上にある消失点VPに集約されています。
道の両端の輪郭線は実際には水平に続いています。しかし道に立って見ると、写真のように両端の輪郭線が遠くに行くにしたがって狭まって見えることがわかります。この視覚上の現象を絵画制作に応用したものが、透視図法です。
透視図法の「透視」とは、立体的な空間を平面的な画面越しに見たときの様子を作図することから付けられた言葉です。写真にある半透明の「画面」は、目の前の道を描き起こすためのキャンバスを意味します。
遠近法にはいくつか種類がありますが、代表的なものに「透視図法」というものがあります。別名で「線遠近法」や「パース(パースペクティブの略)」とも言われています。これは直線的で幾何形体的な形の遠近感を表すのが得意な方法で、例えば道や建築物、室内の描写などによく使われます。
下の図(図a)は道の写真に透視図法の概念を表す線を描き足したものです。道の輪郭線1,2が、水平線HLの上にある消失点VPに集約されています。
道の両端の輪郭線は実際には水平に続いています。しかし道に立って見ると、写真のように両端の輪郭線が遠くに行くにしたがって狭まって見えることがわかります。この視覚上の現象を絵画制作に応用したものが、透視図法です。
透視図法の「透視」とは、立体的な空間を平面的な画面越しに見たときの様子を作図することから付けられた言葉です。写真にある半透明の「画面」は、目の前の道を描き起こすためのキャンバスを意味します。
透視図法の種類
透視図法には3つの種類があります。下の図b,c,dを見てみましょう。
図bは立体の輪郭線が1つの消失点に集約されていることから、「1点透視図法」といいます。立体の向きは正面で、縦方向の輪郭線は必ず垂直に表されます。図aの道の写真も、1つの消失点に道の輪郭線が集約されていることから、1点透視図法で描くことができます。
図cは立体の輪郭線が2つの消失点に集約されていることから、「2点透視図法」といいます。立体の向きは斜めで、縦方向の輪郭線は1点透視図法と同じく垂直です。1点透視図法とは概念自体は一緒なので、同じ画面で併用することができます。
図dは1つの立体の輪郭線が3つの消失点に集約されていることから、「3点透視図法」といいます。1点/2点透視図法にはない縦方向の消失点が加えられ、縦線もそこに集約して作図されます。1番現実の視覚に近い、情報量のある透視図が作図できます。基本的に1点/2点透視図法とは併用できません。
図bは立体の輪郭線が1つの消失点に集約されていることから、「1点透視図法」といいます。立体の向きは正面で、縦方向の輪郭線は必ず垂直に表されます。図aの道の写真も、1つの消失点に道の輪郭線が集約されていることから、1点透視図法で描くことができます。
図cは立体の輪郭線が2つの消失点に集約されていることから、「2点透視図法」といいます。立体の向きは斜めで、縦方向の輪郭線は1点透視図法と同じく垂直です。1点透視図法とは概念自体は一緒なので、同じ画面で併用することができます。
図dは1つの立体の輪郭線が3つの消失点に集約されていることから、「3点透視図法」といいます。1点/2点透視図法にはない縦方向の消失点が加えられ、縦線もそこに集約して作図されます。1番現実の視覚に近い、情報量のある透視図が作図できます。基本的に1点/2点透視図法とは併用できません。
図b,c,dにある水色の線は水平線を表します。水平線は目(もしくはカメラのレンズ)の高さと必ず同じ高さに位置するという法則があります。そのため、水平線=視高と解釈してOKです。視高は「アイレベル」と呼ばれることもあります。
水平線=アイレベルなので、これより上にある立体は見上げる状態に、下にある立体は見下ろす状態に見えます。
立体の輪郭線と消失点を結ぶ黄緑色の線は、奥行を表す線です。消失点に近づくほど小さくすぼまっていきます。
重要なのは、消失点の位置が必ず水平線の上(3点透視図法の縦方向の点を除く)にあるということです。1点透視図法の場合は水平線上の画面中央、2点透視図法の場合は画面中央を挟んで左右等距離に存在します。3点透視図法の場合は、横方向の点は2点透視図法と同じく水平線上の左右等距離、縦方向の点は画面中央線上の上下いずれかに存在します。
もしかしたら「消失点が絵の端っこにあるのを見たことがある」という方もいるかもしれません。これは画面をトリミングすることで起きます。絵というのは、大きく広い画面全体の一部を切り取ったものと考えてください。
立体の輪郭線と消失点を結ぶ黄緑色の線は、奥行を表す線です。消失点に近づくほど小さくすぼまっていきます。
重要なのは、消失点の位置が必ず水平線の上(3点透視図法の縦方向の点を除く)にあるということです。1点透視図法の場合は水平線上の画面中央、2点透視図法の場合は画面中央を挟んで左右等距離に存在します。3点透視図法の場合は、横方向の点は2点透視図法と同じく水平線上の左右等距離、縦方向の点は画面中央線上の上下いずれかに存在します。
もしかしたら「消失点が絵の端っこにあるのを見たことがある」という方もいるかもしれません。これは画面をトリミングすることで起きます。絵というのは、大きく広い画面全体の一部を切り取ったものと考えてください。
初めて透視図法という言葉を聞いた方にはわかりづらいかもしれませんが、「近くのものは大きく(長く)、遠くのものは小さく(短く)」という大原則を意識できていればまずはOKです。さっそく実践してみましょう。
1.鉛筆で下描きをする
まずはこの家の写真がどの透視図法で描けるのか確認してみましょう。
家の奥行をピンク色の延長線で結んでいくと、左右に2点、線が重なるポイントが現れました。このポイントは消失点なので、2点透視図法でこの家の形が描けるということがわかります。この2点を結んだ水色の線が水平線(目の高さ)を表します。
家の奥行をピンク色の延長線で結んでいくと、左右に2点、線が重なるポイントが現れました。このポイントは消失点なので、2点透視図法でこの家の形が描けるということがわかります。この2点を結んだ水色の線が水平線(目の高さ)を表します。
2Bくらいの鉛筆で下描きをします。まずは大まかに家本体の形を描きます。このときそれぞれ横の辺が消失点に向かうように意識して線を描いていきます。消失点が意識できていればフリーハンドでかまいません。
消失点を意識して描くには、水平線の存在が欠かせません。消失点は必ず水平線の上にあるためです。この写真の場合、水平線は家の屋根の少し下部分の高さにあります。これを補助線として描いておきましょう。
今回の写真の場合、消失点は写真の外部に存在しています(2点/3点透視図法は画面外に消失点があることが多くあります)。そのため完璧に正確なパースを描くのは難しいですが、少なくとも水平線に向かって家の横線が向かっているということは意識して進めていきましょう。それだけで十分自然な形を捉えることができます。
大まかな家の形が描けたら、その次に窓や扉などを描き加えていきます。窓や扉を描くときも、線が水平線上の消失点へ向かっていることを意識しましょう。
2階の屋根付き窓を描くのが大変な方は屋根だけでもかまいません。
消失点を意識して描くには、水平線の存在が欠かせません。消失点は必ず水平線の上にあるためです。この写真の場合、水平線は家の屋根の少し下部分の高さにあります。これを補助線として描いておきましょう。
今回の写真の場合、消失点は写真の外部に存在しています(2点/3点透視図法は画面外に消失点があることが多くあります)。そのため完璧に正確なパースを描くのは難しいですが、少なくとも水平線に向かって家の横線が向かっているということは意識して進めていきましょう。それだけで十分自然な形を捉えることができます。
大まかな家の形が描けたら、その次に窓や扉などを描き加えていきます。窓や扉を描くときも、線が水平線上の消失点へ向かっていることを意識しましょう。
2階の屋根付き窓を描くのが大変な方は屋根だけでもかまいません。
2.色鉛筆で清書する
鉛筆の下描きでだいたい形が定まったら、今度は水彩色鉛筆で清書していきます。
描き終わったら、練りゴムで鉛筆の線を全て消しておきましょう。色鉛筆の線は練りゴムをかけてもだいたい残るので心配はいりません。鉛筆の黒と色鉛筆の顔料が混ざると色が濁るため、この段階で鉛筆の線を消してしまうことをおすすめします。
描き終わったら、練りゴムで鉛筆の線を全て消しておきましょう。色鉛筆の線は練りゴムをかけてもだいたい残るので心配はいりません。鉛筆の黒と色鉛筆の顔料が混ざると色が濁るため、この段階で鉛筆の線を消してしまうことをおすすめします。
3.色をつけていく
形が決まったらいよいよ色を塗る段階です。
多くても2,3色塗ったらこまめに水で伸ばしましょう。上の画像が水で伸ばす前、真ん中の画像が伸ばした後、下の画像はそこから更に加筆したところです。
多くても2,3色塗ったらこまめに水で伸ばしましょう。上の画像が水で伸ばす前、真ん中の画像が伸ばした後、下の画像はそこから更に加筆したところです。
4.影や細部を描き込んで完成
全体的に色を塗ったら、次は影色を入れたり、壁や屋根の質感などを描き加えていき、仕上げていきます。