
2月の水彩色鉛筆体験ワークショップ報告
2019年2月12日
水彩色鉛筆で描く木
2019年4月5日
第3回目の朝の鑑賞会テーマは江戸時代の絵師、曽我蕭白(そが しょうはく)の「雪山童子図(せっせんどうじず」という作品を選びました。奇抜な作風で知られる絵師です。
作品「雪山童子図」の画像は東京都美術館で開催中の「奇想の系譜展」公式ページからご覧ください(リンクは別窓で開きます)。
この作品は仏伝がテーマになっており、釈迦が前世で雪山童子として修行していた時の一場面を描いています。そのエピソードを簡単に紹介します↓
雪山童子が聞いた言葉の意味は、「この世にあるものは全て移ろい、消えていく定めにある」「生まれては消えていくことにとらわれずにいれば、心の安楽が得られる」というものだそうです。これを聞きたいがために、童子は迷うことなく命を捨て去ろうとしたんですね。
事前情報なしでこの絵を鑑賞した人はどんなことを想像したでしょう?
少し紹介すると、例えば「少年が鬼を成敗しようとしている」とか、「赤い衣を着て女の子のふりをしていた少年が、鬼に正体をあかして不意打ちをしようとしている」という、双方が敵対しているシーンであるという意見がでました。確かに見ようによっては挑戦的な表情とポーズの少年に対して、鬼がびっくりしているようにも見えます。
他には田中優子的な近世図像学の要素を感じるといった意見や、童子が性別不詳見える、人間を超越した存在のように描かれているのではという指摘もありました。正解を知る前だからこそできる自由な発想が光る鑑賞会となりました。
朝のアート鑑賞会の参加メンバー募集中です!詳しくはこちらのページをご覧ください。
作品「雪山童子図」の画像は東京都美術館で開催中の「奇想の系譜展」公式ページからご覧ください(リンクは別窓で開きます)。
この作品は仏伝がテーマになっており、釈迦が前世で雪山童子として修行していた時の一場面を描いています。そのエピソードを簡単に紹介します↓
遠い昔、雪山童子が山中で修行をしていると、 「諸行無常(しょぎょうむじょう)是生滅法(ぜしょうめっぽう)」という、不思議な言葉が聞こえてきました。
これを聞いて感動した雪山童子が声のする方へ行ってみると、そこには羅刹(らせつ)という恐ろしい姿をした人食い鬼がいました。
羅刹に 言葉の続きを教えてもらえないかと頼んだところ、童子を食べることと引き換えに続きを聞かせると言います。
童子はそれを約束し、言葉の続きを教えてもらいました。
「生滅滅已(しょうめつめっち) 寂滅為楽(じゃくめついらく)」
続きを聞き終わった童子は、この言葉を後世に残すために木に刻みました。そして、「真理の言葉を聞かせてもらった」と礼を言うと、木の上から羅刹の口めがけて身を投げました。
その瞬間、羅刹はたちまち帝釈天(たいしゃくてん)に姿を変え、童子を空中で受け止めました。そしてうやうやしく地上へ降ろすと、命をかけても教えを得ようとする童子をほめたたえたと言います。
雪山童子が聞いた言葉の意味は、「この世にあるものは全て移ろい、消えていく定めにある」「生まれては消えていくことにとらわれずにいれば、心の安楽が得られる」というものだそうです。これを聞きたいがために、童子は迷うことなく命を捨て去ろうとしたんですね。
事前情報なしでこの絵を鑑賞した人はどんなことを想像したでしょう?
少し紹介すると、例えば「少年が鬼を成敗しようとしている」とか、「赤い衣を着て女の子のふりをしていた少年が、鬼に正体をあかして不意打ちをしようとしている」という、双方が敵対しているシーンであるという意見がでました。確かに見ようによっては挑戦的な表情とポーズの少年に対して、鬼がびっくりしているようにも見えます。
他には田中優子的な近世図像学の要素を感じるといった意見や、童子が性別不詳見える、人間を超越した存在のように描かれているのではという指摘もありました。正解を知る前だからこそできる自由な発想が光る鑑賞会となりました。
朝のアート鑑賞会の参加メンバー募集中です!詳しくはこちらのページをご覧ください。